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2016年06月のトピックス

妖精現る!? 2016年06月30日
ウスバカゲロウの仲間
森の中をひらひらと舞う可憐な生き物がいました。細長いハネと体は本物の妖精と見間違えるほどです。正体はウスバカゲロウの仲間。幼虫の時代は土の中で生活し、アリジゴク(蟻地獄)と呼ばれています。地獄の生き物から美しい妖精へ大変身した姿を森の中で探してみてください。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:レキの交差点からマツボックリの交差点
足元に咲く小さな花 2016年06月29日
ジャノヒゲ
少し前まで蕾ばかり見られたジャノヒゲも、いくつか花が咲きはじめました。スッと伸びた葉に埋もれるようにして、下向きに咲いています。踏んでしまいそうな小さな花が足元で咲いているため、普通に歩いていると見逃しがちです。しかし髭の様な葉を頼りに探してみると、森のあちこちで見られるかもしれません。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:ヤブムラサキの交差点
レストラン大繁盛 2016年06月28日
セモンジンガサハムシ
サクラの仲間の葉はいろいろな生き物に好まれる森のレストランです。空を透かして見ると、食べられたあとのいろいろな形の穴が無数にあいています。今日見つけたのはそんなサクラレストランを利用する昆虫のひとつ、セモンジンガサハムシ。大きさは5mmほどで、背中の中央にある、金属光沢のある×模様が特徴です。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:ネイチャーセンター
フライングキャッチ! 2016年06月26日
コサメビタキ
あたりを見わたせる枝の上から、コサメビタキがひらりひらりと飛び出しては空中の虫を狙っています。あっ、ホタルガ(16日に紹介)を捕まえました!見事な技です。ぱっちりとした目がかわいらしい小鳥ですが、暴れるホタルガをぶんぶん振り回してぐったりさせる手腕に野性を感じます。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの交差点からヒキガエルの交差点
飛び立つアブラムシ 2016年06月24日
エゴノネコアシ
エゴノキにできたバナナのような物体はエゴノネコアシという虫こぶです。この虫こぶはエゴノネコアシアブラムシによって形成されます。この虫こぶはこれから7月にかけて先端が開き、中からハネの生えたアブラムシが出てきます。先端の開いた虫こぶを見つけたので中をのぞいてみると、灰色っぽいアブラムシが飛び立つ瞬間を静かに待っていました。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:ネイチャーセンター
カエル天国 2016年06月23日
ヌマガエル
雨上がりの外周コースは上陸したばかりの小さなカエルたちがあちこちでぴょんぴょんとびはねていました。その中で、少し大きなカエルが白いお腹を見せながらジャンプ。大人のヌマガエルです。ツチガエルと似ていますが真っ白なお腹はヌマガエルの印。身体がふっくらしていたのでこれから産卵するメスかもしれません。オスのさえずりも聞こえてきました。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:大石の交差点からモズの交差点
今年はこの木 2016年06月22日
樹液に集まる昆虫
コナラの樹液に様々な昆虫たちが集まっていました。樹液を飲んでいるのはフタモンウバタマコメツキ、、ゴホントゲザトウムシ、ヨツボシケシキスイです。少し離れたところからはスジクワガタがその様子をうかがっています。樹液が出る木は所々あるのですが昆虫に人気のある木は年によって変わるようで、今年はこのコナラが人気のようです。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:エナガの交差点からシダの交差点
今年も咲きました 2016年06月21日
ヒメミクリ
トンボの湿地では今年もヒメミクリが開花しました。小さな花火のような白い花が湿地の中でポツポツと咲いています。ミクリ(実栗)という名は果実がクリのイガに似ていることから付けられました。白い花が咲く今、ヒメミクリの場所を記憶にとどめておくと、果実の時期まで観察を楽しむことができそうです。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:トンボの湿地
しわざの主は・・・ 2016年06月19日
カシルリオトシブミ
イタドリの葉に不思議な模様ができていました。しわざの主はカシルリオトシブミと言う小さなオトシブミです。葉の表面をこそげとるように食べるので葉には透けたような模様ができます。(葉に空いた丸い穴は別の昆虫の食べ痕のようです。)カシルリオトシブミもイタドリの葉を巻いて揺籃(ようらん)を作るのですが、とても小さいうえに作った揺籃を切り落としてしまうので見つけることはできませんでした。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:標本資料館
赤い臼 2016年06月18日
ウスノキの実
ウスノキが赤い実をたわわに実らせていました。ウスノキ(臼の木)の名前はこの実が由来で、実の上部がへこんでいるため臼のように見えます。とてもおいしそうに見えるのですが、野生の実らしいすっぱさを感じるだけで甘味はほとんどありません。赤く美しい姿を目で楽しむ方が正解のようです。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:ヤブムラサキの交差点からアベマキの交差点1
上向きに咲くムラサキシキブ 2016年06月17日
ムラサキシキブ
5月24日にご紹介したヤブムラサキの花は散りましたが、今はムラサキシキブの花を観察することができます。ヤブムラサキにあった白い細かな毛はなく、花は上向きに咲いています。実の季節になると見分けの難しい2種ですが、年間を通して見ていると、じつは似ているところは少ないのかもしれません。雨上がりのほのかな香りもおすすめの花です。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの谷
よく目にとまります 2016年06月16日
ホタルガ
森を歩くとフワフワと飛ぶ何頭ものホタルガに出会います。はねの黒と白、そして頭部の赤が印象的なホタルガですが、実はもう一色、美しい色を持っています。黒い毛の生えた触角のきらめく青です。写真のようにとまっているとなかなか見る機会はありませんが、腹部も青くなっています。たくさんいるガなので、ぜひじっくり観察してみてください。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの谷
懸命に生き抜く夏の昆虫 2016年06月15日
スジクワガタ
シダの交差点からヒキガエルの交差点に続く階段を下りていると、スジクワガタが観察路を歩いていました。観察路を歩く姿をあまり見ないので不自然に思い観察してみると、足は取れてしまい体もボロボロです。カラスなどの天敵に襲われてしまったのでしょうか。これから夏に近付き、様々な昆虫たちが見られるようになりますが、みんなそれぞれ生き抜いていってほしいものです。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:シダの交差点からヒキガエルの交差点
3年ぶりです 2016年06月14日
サカキ
サカキが花を咲かせていました。森の中でもサカキはよく見かけるのですが、花を咲かせている姿はなかなか見つかりません。私自身もしっかりと花を見たのは3年ぶりでした。今年は他の植物同様花の付きがよく、蕾もたくさんあるためしばらく楽しめそうです。つどいの広場のほかにも駐輪場の近くの木で花を見ることができます。
文:山下 撮影:山下
撮影場所:ネイチャーセンターつどいの広場
とっても刺激的 2016年06月12日
ドクガ 幼虫
道沿いにドクガの幼虫がいました。黒い体にオレンジ色の模様と白く長い毛がおしゃれですが、白い毛の他に毒のある短い毛を持ち、触れると強いかゆみのある赤い発疹がおこります(抜け毛でも同様)。この個体には道から離れたところに移動してもらいましたが、このような幼虫を見かけた場合は手を触れたり顔を近づけたりしないように観察してください。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:ヤブムラサキの交差点からオオルリの交差点
森のさくらんぼ 2016年06月11日
サクラの仲間 実
森で見られるサクラの仲間は高木が多く、花や実は地面に落ちたものを見るばかりで、間近でじっくり観察できる機会はあまりありませんが、最近倒れて枝先が低くなっている株があり(危険はありません)かわいらしい実を間近で見ることができます。黄色がかった未熟な実に黒紫色の完熟の実、その中間の赤い実もあります。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの交差点からヒキガエルの交差点
小さな真珠 2016年06月10日
アオスジアゲハ
森の中でアオスジアゲハを見つけました。いつもは見かけてもすぐにどこかへ飛んで行ってしまうのですが今日は少し様子が違います。タブノキの周りをゆっくりと飛び、葉っぱの陰で何かをしていました。もしかして・・・と思いながら葉っぱを確認すると案の定、卵が産み付けられていました。小さな真珠のような美しい卵でした。
文:山下 撮影:猪俣
撮影場所:オオルリの交差点
こんなところにもいます 2016年06月09日
ヒメタイコウチ
しとしとと梅雨らしい雨が降っていたので、今日はネイチャーセンターの周りで生き物探しをしました。じとっと水が溜まっていた場所にあった葉の裏をめくってみると、まだ小さなヒメタイコウチがいました。ヒメタイコウチは写真でも分かるようにお尻から突き出ている呼吸管が短いため、深い水があるところではなく、このような水溜まりで生きているのです。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:ネイチャーセンター
ふたご花 2016年06月08日
ツルアリドオシ
小さなふたごの白い花、ツルアリドオシです。林の中の薄暗い場所を好み、湿った地面をはう植物ですが、濃い緑の葉と純白の花ははっとするような美しさがあります。秋から冬にふたご花の下に赤い実がひとつ熟し、そちらもかわいらしいです。暗い地面をはっているので足元をよく見て探してください。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:セミの交差点からヒメタイコウチの交差点
幼鳥ぞくぞく 2016年06月07日
キビタキの幼鳥
5月28日に紹介したスズメの幼鳥に続き今日はキビタキの幼鳥に出会いました。甘えた声で鳴きながら親鳥からのエサを待っていたようです。この他にもサンショウクイやシジュウカラ、メジロの幼鳥を見かけることが多くなってきました。巣立ちした幼鳥は親鳥と一緒に行動しながらエサのとり方や森での生き方を学んでいきます。
文:山下 撮影:小池
撮影場所:ヤブムラサキの交差点からオオルリの交差点
ふわふわと舞う妖精 2016年06月05日
エサキヒメコシボソガガンボ
白い点がいくつか並び、ふわふわとシダの谷を舞うようにして漂っていました。その光景は森の妖精を見つけてしまったかのような感覚に陥ります。妖精の正体はエサキヒメコシボソガガンボ。体の黒い部分は森の色に溶け込み、脚先の白い部分だけ目立って見えたことが妖精のように感じたのです。写真のものは交尾しながらふわりと森に帰っていきました。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:シダの谷
まちぶせ? 2016年06月04日
ニホンアカガエル
草むらの中のフユイチゴの丸い葉の上で、ニホンアカガエルがじっと座っています。じっと動かずにいると枯葉が一枚落ちているだけのように見えます。エサとなる生き物が来るのを待ちぶせているのでしょうか。日向ぼっこ中に天敵であるヘビやカラスなどに見つからないようにじっとしているのでしょうか。それとも? 隣にずっと座っていたらわかるでしょうか。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの交差点からヒキガエルの交差点
森の妖精 2016年06月03日
ミドリシジミ
トンボの湿地でミドリシジミが姿を見せはじめました。ミドリシジミという名前の通りオスはハネの表が金属光沢のある緑色をしており、まさに森の妖精といった風情があります。なかなかハネを開いてくれないので、美しい緑色を拝見することは難しいのですが、朝の早めの時間にはハネを開いていることが多いようです。
文:山下 撮影:青山
撮影場所:トンボの湿地
お互いにびっくり 2016年06月02日
アオダイショウ
足元の草むらからにゅーっと出てきた大きなアオダイショウ。足音に気づいていなかったのか人間の姿に驚いてオロオロ、すぐに近くの木にのぼり穴に入ろうとしますが、うまく隠れられません。そわそわとあたりを見回したあと、意を決したようにピョン!と飛び降りて、また草むらに入っていきました。ヘビも人間もびっくりの出会いでした。
文:小池 撮影:小池
撮影場所:シダの交差点からヒキガエルの交差点
強い匂いで開花宣言 2016年06月01日
ヤマグリ
クリの花が満開を迎えました。青臭い独特の匂いを辿っていけば、白い尾のような花が咲いているのが見つかります。この遠くまで漂う強い匂いで「今年も咲きはじめたな」とクリの開花を感じる方も多くいると思いますが、なぜこれほど強い匂いを漂わせているのでしょうか。それはこの匂いで虫を誘い寄せ、昆虫に受粉を行ってもらうためなのです。強い匂いはクリが生き残るための戦略でした。
文:長縄 撮影:長縄
撮影場所:バッタの原っぱ

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